036-帽子屋 |
ある晴れた日の昼下がり。銀髪に紅い瞳、…そして真っ黒な獣の耳をもつ少年(ファイス)が、川辺に腰を下ろしていた。川面に映る自分の姿を見ているのか、または、川の底をただ見ているだけなのか分からない。
「……何故、俺は、こんな………」
虚ろな瞳のまま、無表情にそう呟く少年。
「そちらの鶯色の着物を着て居られるお方、…帽子はいりませんか?」
突然、彼の後方からそう話しかける者が現れた。まだ幼い子供のようだ。青い瞳に青い髪、高い位置で髪を一つに括っている。…そしてその者もまた、真っ黒な獣の耳をしていた。
「…帽子? ……いや、俺はそんなものいらないが……」
振り向く前に、そう答えた彼だったが、その者の姿を見た瞬間、彼は仰天した。
「お…お前っ…!」
「そうですか…では、またご入用のときは、お気軽にこの私めにお声をおかけください。私は、帽子屋をやっております。すぐそこの小屋の前にいつも居りますので。では…」
にこやかな表情でそう言うと、帽子屋と名乗ったその者は、彼の前から去ろうとした。
「……ちょ、…ちょっとまてっ…………!!!」
ファイスは、思わず大声で帽子屋を呼び止めた。
「……?何か…?」
呼び止めたものの、上手く言葉が出ない。
「……いや…その…なんだ………お前の…その耳……お前も…狐族か?」
「…あ、これで御座いますか?……そういえば、貴方様も黒い耳をされていらっしゃいますね」
帽子屋は、すぐに気づいたのか、その真っ黒な自分の耳を触りながら、ファイスの耳を見た。
「………きっと色々とご苦労をされているのでしょう……お気持ち、お察しいたします…」
帽子屋は、そう言うとぺこりと頭を下げ、去っていった。
ファイスは、帽子屋のその後姿を、姿が見えなくなるまでただ呆然と見ていた。
「……俺と同じ…黒い耳を持つ者……他にもいたんだな…」
そういうと、また、彼は川面を見つめた。先ほどよりは、どこか、しっかりとした目つきで…。 |
ファイスが子供の頃のお話です。うーん; …とりあえず、その他はノーコメント…;(05/11/22story更新)
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037-ソファーで映画 |
038-天井 |
「ラッドの奴は、いつもこんなものを観ているのか…。つまらん。…これのどこが面白いというのだ」 |
「………いやだっ。オレは逃げる!」
「あっ!こらっ、待ちなさいナユタっ!!!」
「……? なんだか、二階が騒がしいな…」 |
今回から、一言台詞に変更します;このままだと、一向に進まないので…orz
既に始めてから3年近く経っているので、そろそろ急ピッチで進めたいと思います!で、この台詞…。双子の弟、ファラッドのことを彼女はプライベートでは「ラッド」と呼びます。(笑) 普通、双子は考え方や趣味などまで似るとよく言われますが…この二人の場合は、全くの正反対のようです。。(05/12/21story更新)
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お題「027-星」の、ガイ視点だったり。
カレンダーが2月なのは、描いたのが2月だから…じゃないです…。自分の部屋にあったカレンダーが2月だったから…。確かこれを描いたのは、2004年の3月中旬くらいだったような;(05/12/21story更新)
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039-夢の場所 |
040-都市伝説 |
「ここは…何も無い…ただ虹だけが存在する世界…何と美しい場所なのじゃ」 |
まだ |
多分、ここは彼女の夢の中。。
(05/12/21story更新)
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まだ
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